クイックスタート

この章では、 Sora Android SDK を使った、 シンプルなクイックスタートアプリケーションを実行するまでの流れを紹介します。

  • メディアデータ (映像と音声) の送信と受信

  • 送受信する映像の描画

  • 端末のデバイス (カメラとマイク) の使用

ソースコードは次のリポジトリで配布しています。

用意するもの

  • WebRTC SFU Sora バージョン 2023.2.0 以降

  • Android 5 以降 (シミュレーターは不可)

  • Android Studio バージョン 2023.2.1 以降

Sora については、ここでは次の条件での運用を仮定します。 詳しくは Sora のドキュメントを参照してください。

  • Sora のホスト名: "sora.example.com"

  • デモ機能: 有効

  • WebSocket の接続に WebSocket over TLS を使用

  • チャネル ID: sora

以下、アプリケーションのダウンロード、依存ライブラリのダウンロードと配置、 アプリケーションの設定と起動の順に説明します。

Android Studio のセットアップ

Android Studio をダウンロードし、 インストール方法 に従いセットアップしてください。

クィックスタートアプリケーションのダウンロード

クイックスタートアプリケーションのソースコードは sora-android-sdk-quickstart リポジトリで配布しています。 git コマンドで最新のタグを指定してクローンしてください

$ git clone --branch <X.Y.Z> https://github.com/shiguredo/sora-android-sdk-quickstart.git
$ cd sora-android-sdk-quickstart

SDK への依存設定

本アプリケーションは Sora Android SDK への依存を持ちます。 以下、設定方法を記します。github からクローンしたコードベースには これらの設定は入っています。

JitPack リポジトリの追加

Sora Android SDK は JitPack から取得できます。 そのため、トップレベルの build.gradle で JitPack のリポジトリを追加します。

allprojects {
    repositories {
        jcenter()
        google()
        maven { url 'https://jitpack.io' }  // この行を追加する
    }
}

Sora Android SDK のバージョン設定

同じ build.gradle にて、SDK のバージョンを定義しておきましょう。 X.Y.Z は使用する SDK のバージョンを入れてください。最新版は 2024.1.1 です。

buildscript {
    // 中略
    ext.sora_android_sdk_version = 'X.Y.Z' // この行を追加する
}

この定義は次の implementation 依存の追加で参照しますが、ここでは定義せずに、 次の設定に直書きしても構いません。

Sora Android SDK への依存を追加する

次に Sora Android SDK への依存を追加します。 SDK を利用するモジュールのビルド設定ファイル(ここでは quickstart/build.gradle )に 以下の設定を追加します。

dependencies {
    // 中略
    // 以下の 3 行を追加する
    implementation("com.github.shiguredo:sora-android-sdk:${sora_android_sdk_version}@aar") {
        transitive = true
    }
}

以上で SDK を利用するための依存設定は完了です。

補足 transitive を指定しない場合は libwebrtc のバージョンとして 121.6167.4.0 を指定してください。

api "com.github.shiguredo:shiguredo-webrtc-android:${libwebrtc_version}"

注意 libwebrtc のバージョンは Sora Android SDK のバージョンと個別に指定可能ですが、特定バージョンのみで 動作を確認しています。必ず SDK バージョンに対応する libwebrtc のバージョンを指定してください。

アプリケーションの設定

クィックスタートアプリケーションの実行には Sora の URL を設定する必要があります。 Sora の URL を gradle.properties に設定します。

gradle.properties.example を元に gradle.properties を作成します。

$ cp gradle.properties.example gradle.properties

このファイルでは、接続する Sora のシグナリングエンドポイント URL signaling_endpoint を指定します。環境に応じて設定してください。 好みでチャネル ID channel_id の指定も可能です(そのままでも結構です)。

gradle.properties:

# Setting Sora's signaling endpoint and channel_id
signaling_endpoint = wss://sora.example.com/signaling
channel_id         = sora

以上でアプリケーションの設定は完了です。 クローンしたディレクトリを Android Studio で開き、アプリケーションの起動を行ってください。

アプリケーションの起動

Android 端末をマシンに接続します。Sora Android SDK はシミュレーターに対応していません。実機を利用してください)。 そして、接続した Android 端末を選択してビルド・実行します (メニュー "Run" > "Run (quickstart)")。

起動したアプリケーションの画面で、 START ボタンをタップすると映像、音声の送受信処理が開始されます。

カメラとマイクの権限許可を取得する

Sora Android SDK で映像の送受信を行うにはカメラ(android.permission.RECORD_AUDIO) と音声(android.permission.RECORD_AUDIO)の権限許可が必要です。

アプリケーションで権限許可を取得するようにします。

Sora に接続する

起動したアプリケーションの画面で、 START ボタンをタップすると Sora に接続します。 接続に成功するとカメラ(あれば前面カメラ優先)の映像が表示されます。

接続できなかった場合は Sora のエンドポイント URL やネットワークの状態を確認してください。

このアプリケーションでは、次のパラメータで Sora に接続しています。

双方向でビデオチャットするには、例えば、PC ブラウザから Sora のデモ機能のマルチストリーム接続 を行うと、クイックスタートアプリケーションに相手側の映像が表示されます。 もちろん、Android 端末をもうひとつ用意して本アプリケーションをインストール、起動しても よいですし、iOS アプリケーションとのビデオチャットも可能です。

参考

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